密林一きれいなひょうの話 [絵本]
忙しすぎて、心がざらざらっとしている毎日。
図書館で久しぶりに、この本を見つけました。
『密林一きれいなひょうの話』です。
1975年に初版が出ていたのですが、最近、別な出版社から復刊されたようです。
工藤直子さんの優しい文章と、和田誠さんの甘すぎない絵。読んでいるうちに、心がなんとも言えずのんびりして、ぽっと温まってきます。
お話は、一頭のひょうが、こう話すところから始まります。
ところが、ある日、ひょうの身体から斑点が姿を消してしまいます。慌てて探すと、たった三枚の斑点だけが、寝床に落ちていました。
ひょうは、斑点を探しに出かけました。ワニやカエルやマントヒヒに出会い、その度に、斑点を見かけなかったか尋ねます。しかし、彼らにも、斑点の行方は分かりません。
それどころか、ワニもカエルもマントヒヒも、ひょうの手元に残っている三枚の素敵な斑点を欲しがり、一枚ずつひょうからもらってしまうので、ひょうの斑点はとうとうなくなってしまうのです。
そして、とうとう、マントヒヒは、たくさんの斑点が蝶のように飛んでいくのを見かけたことを思い出します。それを聞いたひょうは、こう思うのです。
困ったマントヒヒですが、ふと、いい考えがひらめきました。
ひょうが、蝶たちに斑点になってくれるように頼むと、たくさんの蝶が、ひょうの体にとまってくれました。
色とりどりの蝶を斑点にして、身体中にとまらせたひょうは、心から嬉しそうな笑顔です。
この終わり方も、余韻があっていいなあ。
可愛らしいお話なので、子どもに読んであげるなら、幼児から小学校低学年までかな。でも、ちょっと心が疲れたとき、大人が自分のために読むのも良さそうです。
この絵本は、大学生の頃、先輩が小学生低学年向けのお話会で使っていたもの。今でも、絵本を読むその人の声が蘇ります。
今回、この絵本を自分で声に出して読んでみたところ、以前は先輩の声で頭の中に再生されていた言葉が、もうあまり聞こえなくなってきました。どうも、自分の声で上書きされてしまったようです。ちょっと残念だけど、でも、お話の魅力は変わりませんものね。
図書館で久しぶりに、この本を見つけました。
『密林一きれいなひょうの話』です。
1975年に初版が出ていたのですが、最近、別な出版社から復刊されたようです。
工藤直子さんの優しい文章と、和田誠さんの甘すぎない絵。読んでいるうちに、心がなんとも言えずのんびりして、ぽっと温まってきます。
お話は、一頭のひょうが、こう話すところから始まります。
ぼくは ひょうです。
みてください。
ぼくの きれいな はんてんを。
つやつや、ぴかぴか、すてきでしょう。
ぼく、とてもじまんなんです。
ところが、ある日、ひょうの身体から斑点が姿を消してしまいます。慌てて探すと、たった三枚の斑点だけが、寝床に落ちていました。
(あーらら、ぼくの はんてんは いえでをしてしまった)
ひょうは、斑点を探しに出かけました。ワニやカエルやマントヒヒに出会い、その度に、斑点を見かけなかったか尋ねます。しかし、彼らにも、斑点の行方は分かりません。
それどころか、ワニもカエルもマントヒヒも、ひょうの手元に残っている三枚の素敵な斑点を欲しがり、一枚ずつひょうからもらってしまうので、ひょうの斑点はとうとうなくなってしまうのです。
そして、とうとう、マントヒヒは、たくさんの斑点が蝶のように飛んでいくのを見かけたことを思い出します。それを聞いたひょうは、こう思うのです。
ぼくは、はんてんがだいすきで、じまんだったけれど、はんてんは、きっと ちょうちょがすきで、ちょうちょになりたかったのですね....
ぼくは、すこしなきそうになりました。
困ったマントヒヒですが、ふと、いい考えがひらめきました。
「はんてんが、ちょうちょに なりたがったのだから、ちょうちょは、はんてんになりたいかもしれないね」
それは、とてもよいかんがえです。
ぼくは、まんとひひに ありがとうといって、ちょうちょをさがしに でかけました。
ひょうが、蝶たちに斑点になってくれるように頼むと、たくさんの蝶が、ひょうの体にとまってくれました。
だから......だから......
みてください、ぼくのきれいなはんてんたちを!
そうです。ぼくは、みつりんいちきれいなひょうに なりました。
色とりどりの蝶を斑点にして、身体中にとまらせたひょうは、心から嬉しそうな笑顔です。
ときどき、ぼくは、ちょうちょのために、のはらから のはらへ、はなをさがして、かぜのように はしります。
この終わり方も、余韻があっていいなあ。
可愛らしいお話なので、子どもに読んであげるなら、幼児から小学校低学年までかな。でも、ちょっと心が疲れたとき、大人が自分のために読むのも良さそうです。
この絵本は、大学生の頃、先輩が小学生低学年向けのお話会で使っていたもの。今でも、絵本を読むその人の声が蘇ります。
今回、この絵本を自分で声に出して読んでみたところ、以前は先輩の声で頭の中に再生されていた言葉が、もうあまり聞こえなくなってきました。どうも、自分の声で上書きされてしまったようです。ちょっと残念だけど、でも、お話の魅力は変わりませんものね。
昔子供の頃に愛読した本を楽しく読み返したりすること、私もありますよ。
つい先日も、懐かしくなって日本のサイトであれこれ探したりしてました。
心がざらつくことってありますよね~
私もちょっと最近そうで、うちのドイツ人と喧嘩したりも。
でも、思いっきり喧嘩すると切り替わったりします。
あまり溜め込まずに発散できますように。
by めぎ (2019-02-12 05:18)
皆さま、ありがとうございました!
懐かしい本に再会するとほっとするし、嬉しいですよね。
この本を読んでから、この中に出てくる「あーらら、ぼくの〇〇、なくなっちゃうよ」という台詞が私と長女の間で流行っています。
by stellaria (2019-03-30 06:17)